Discovering Japan ~豊洲市場~
はじめまして。パーク ハイアット 東京「ニューヨーク グリル & バー」料理長に就任したベン ウィーラーです。先日、まだ日が昇る前の薄暗い早朝、ニューヨーク グリル&バーの若手キッチンスタッフ、資材部スタッフと一緒に豊洲魚市場を訪れました。シーズナルメニューのインスピレーションを得るため、また、30年近くパーク ハイアット 東京へ高品質な食材を提供してくれている大切な取引先の方々へ挨拶するためです。
午前4時45分、私たちは心を躍らせながらパーク ハイアット 東京を出発しました。毎朝5時30分から行われるマグロの競り市が今日の目当てです。豊洲市場には見学者デッキが設けられており、わたしたちはその最前列で競りを見ることができました。
多くの仲卸業者がマグロの身や色、脂ののり具合などを細かくチェックしています。ベルが鳴り始めると、静かな会場から一転、怒号や競りの声が響きあう活気に満ちた空気感に変わりました。競り落とされたマグロは、それぞれの顧客のもとへと運ばれていきます。
次に、賑やかな水産仲卸売場に移動し、今が旬の魚介を見学しました。先ほど売れたばかりのマグロを職人たちが見事な手さばきで解体していきます。カミソリのように切れ味抜群のマグロ包丁を使い、250kgのマグロを手作業で細かく正確にさばいていく姿は感動的でした。水産仲卸売場は、獲れたばかりの魚介類を売る店、山積みのパレットを運ぶカート、全国各地から集まったバイヤー、好奇心あふれる観光客など、どこを向いても活気に満ちていました。
朝7時、つい先ほどまで市場で見ていたマグロやその他の魚介類を寿司で味わうことができるレストランへ。まずは濃厚なアサリの味噌汁と緑茶で冷えたからだを温めます。次に、毎朝隣の市場から仕入れる新鮮な魚介類を目の前で握る寿司が続き、個人的にはマグロ、ウニ、穴子が大変気に入りました。
最後に明治43年創業、100年を超える歴史がある「築地貞松」に立ち寄り、旬の果物を試食させてもらいました。ブラッドオレンジ、オレンジ、イチゴ、マンゴーなど数多くのフルーツに加え、佐賀県産の白イチゴも。 どの果物もそれぞれ完璧な状態で、香り、甘さ、みずみずしさ、すべてが際立っていました。あまりのおいしさに、わたしは手を止めることができませんでした。
豊洲市場は世界最大規模の魚市場であり、魚介類に興味がない人にも人気の観光スポットです。市場の仕組みやマグロ、その他多くの食材について学ぶことができる素晴らしい体験ができる場所だと感じました。市場内には、飲食店や物販店など、さまざまなエリアがあります。近代的かつ清潔で、きちんと整備されており、期待を裏切らないお出かけスポットとして、皆さんにもおすすめしたいです。
私にとってはもちろん、同行したニューヨーク グリル & バーのキッチンスタッフにとっても刺激的で印象に残るツアーとなりました。今回の豊洲市場見学をアレンジをしてくれた資材部チームをはじめ、豊洲市場で快く対応してくれた皆さんに心より感謝申し上げます。