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Kojiro Tsutsumi

シェフズジャーニー<静岡>

こんにちは。
ジランドール料理長の堤耕次郎です。

8月下旬、資材部 田口マネージャー、ティボ総料理長、小澤副総料理長と一緒に、静岡にある日本平オリーブ農園クレアファーム、あさぎり宝山ファームを訪問しました。

まずは眼下に焼津港を望み、富士山がそびえる丘の上という絶好のロケーションを誇るクレアファームに到着。名産のみかん畑に隣接したエリアに8年目を迎えたオリーブの木々が並びます。昨年、ニューヨークで開催された品評会にて金賞を獲得したオリーブの実とオリーブオイルを試食。雑味がなく、マイルドな辛味とミルキーなテイストが特長の大変美味しいオリーブオイルで、15種ものオリーブの説明とともに、代表の星野さんが語っていた理念とこだわりがしっかりと反映されていることを実感しました。

60kgの果実から約6ℓのオイルしか造れない貴重なオリーブは、搾りかすを動物の肥料として使用するサステナブルな循環型農業への取り組みも。何よりこの素晴らしいロケーションで、地の利を生かして大切に育てられた食材は間違いなく美味しくなるでしょう。

次は、日本平から車で2時間ほどの富士宮市あさぎり宝山ファームへ。
通常の方法で飼育している鶏舎と放し飼いの鶏舎と両方を拝見しました。狭いケージで多くの鶏が餌を食べ、卵を産むという生産性重視の環境に比べ、2~3階建ての鶏舎で自由に動き、飛びまわり、屋外のテラスに出て日光浴や砂遊びを楽しめる放し飼いの環境が印象的でした。同じ品種でも体格の差が顕著で、脚が太く、体格が発達して羽根も美しい健康的な鶏を見て、育成する環境の大切さを考えさせられました。

そのような鶏が産んだ卵は、皿の上で押してもなかなか割れないほど黄身に弾力があり、白身も液状ではなく、ふっくらと形を保ち、明らかにクオリティの高さを感じます。
アニマルウェルフェアにも配慮しているこのファームでは鳥インフルエンザの影響を受けたことがないそうです。私たちも、健やかな状態の安心安全な卵を積極的に使用していきたいと思います。

今回の見学を通して、生産者の方たちの情熱と、その土地ならではの食材の素晴らしさに触れ、料理に繋がるインスピレーションを得ることもできました。ご案内くださったファームの方々に感謝申し上げます。

ジランドール料理長 
堤 耕次郎